「Jリーグの【秋春制】ってなに?」
「夏休みはオフシーズンに?」
2025年シーズンは、J1リーグもJ2リーグも、大混戦のままリーグ後半戦に突入し、応援に熱の入っているファンの方も多いことと思います。
さて、Jリーグの2025シーズンが12月に終了すると、来年からはJリーグの開催日程が、大幅に変更されることを、ご存じでしょうか。
今までは、2月下旬に開幕(春)し、12月上旬に閉幕(秋)していたJリーグ。
いわゆる、春秋制と呼ばれるシーズン日程でした。
それが、2026/27シーズンからは、本格的に【秋春制】が導入されます。
ざっくり言えば、秋に開幕して、翌年の春に閉幕するため【秋春制】と呼ばれ、年をまたぐ2026/2027シーズンと、言われるようになるのです。
「…え?、2026年の前半は、Jリーグの試合が一切無くなるってこと??」
いえいえ、サポーターやファンに楽しんでもらうための「特別大会」が、計画されているのです。
本記事では、Jリーグ秋春制への移行スケジュール・特別大会の仕組み・昇格降格の扱いなどを、わかりやすく解説していきます。
Jリーグが秋春制に移行する背景
ここでは、Jリーグが【秋春制】に移行する背景について、解説していきます。
主な理由ついて、以下の3点が挙げられます。
1.国際AマッチやACLの開催時期と合わせる必要性
ACL(AFCチャンピオンズリーグ)が【秋春制】に変わり、欧州クラブシーズンや国際Aマッチカレンダーとの整合性を取る必要性が高まりました。
ACL(AFCチャンピオンズリーグ)とは…詳しくは、こちらの記事もご参照ください。
→ACL2025/26大会方式&日程|出場枠・放送・決勝T・ACL2最新解説
2.夏の酷暑・冬の降雪に対応するための新しいスケジュール
夏の猛暑、冬の降雪・寒さなど、春秋制では過酷な気候の影響が出る試合があるため、より適切な試合期間設定をすることで選手・観客双方への配慮を図る必要があります。
3.欧州主要リーグとの移籍市場の整合性向上
欧州主要リーグは、【秋春制】でのシーズン日程です。
欧州主要リーグへ移籍する日本人選手が増加していることもあり、欧州との移籍市場の整合性を図ることで、獲得・放出する両クラブ間と、選手にとってのメリットが向上します。
秋春制へのシーズン移行日程
ここでは、秋春制へのシーズン移行日程について、ご説明していきます。
(以下は、秋春制へのシーズン移行スケジュール概略図)
2025年 ------------------- 2026年前半 ----------------- 2026/27シーズン
↓(春秋制最後) ↓(移行期:特別大会) ↓(秋春制スタート)
2月~12月 2月~6月 8月~翌年5月
【通常シーズン】 【J1特別大会】 【秋春制シーズン】
・昇降格あり 【J2・J3特別大会】 ・ウィンターブレークあり
・昇降格なし ・ACLと整合
2025シーズン(最後の春秋制)
2025年シーズンは、最後の春秋制のシーズンとなります。
開催日程、昇格・降格については、以下のとおりです。
- 2月開幕〜12月閉幕
- 昇格・降格は通常通り実施
2026年前半の移行期シーズン「特別大会」の開催
2026年前半のシーズンは、移行期シーズンとなり、「特別大会」が実施されます。
開催日程、昇格・降格については、以下のとおりです。
・2月~6月開催、半年間の短期シーズン
・昇降格なし
・J1特別大会とJ2・J3特別大会を実施
以下に、J1特別大会と、J2・J3特別大会の仕組みについて詳細を簡潔にまとめました。
(J1特別大会の仕組み 東リーグ10、西リーグ10)
【地域リーグラウンド】(東10・西10)
└ H&A戦 18試合(計180試合)
└ PK決着方式(勝点:PK勝2/PK敗1)
↓ 各順位が並ぶ ↓
【プレーオフラウンド】
└ 東1位 vs 西1位 … ACL出場枠
└ 東2位 vs 西2位 … 順位賞金
└ 東3位 vs 西3位 …
(計20試合)
【賞金・助成金】
- 勝点ごと助成金(最大1億800万円)
- 優勝賞金 1.5億円
- ACLエリート出場枠
(J2・J3特別大会の仕組み 東西南北の4ブロック)
【北】10クラブ 【東】10クラブ
│ │
【西】10クラブ 【南】10クラブ
→ 各地域でH&A(18試合)
→ PK決着方式(勝点:PK勝2/PK敗1)
→ その後、同順位クラブ同士でノックアウト戦
(例:北1位 vs 東1位、南1位 vs 西1位)
地域リーグラウンドの組み合わせが気になりますし、プレーオフラウンド時の盛り上がりは、半端のないものになることが予想されます。
2026年前半シーズンの「特別大会」が、今から楽しみです。
2026/2027シーズン(秋春制の初年度)
2026年8月からは、【秋春制】の開幕する初年度のシーズンとなります。
開催日程は、以下のとおりです。
・8月開幕〜翌年5月閉幕
・12月中旬〜2月中旬に「ウィンターブレーク」
・ワールドカップやアジアカップ開催年は中断あり
(2026/2027シーズンの概略)
8月 12月 2月 5月
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開幕 冬休み 再開 閉幕
・開幕:8月第1週頃
・ウィンターブレーク:12月中旬~2月中旬
・閉幕:翌年5月最終週
暑さと寒さを避けるためのシーズン移行とはいえ、8月第1週は、酷暑の真っ只中ですし、2月移行にも降雪があり、様々な課題点も抱えています。
秋春制シーズンへの移行による影響|メリットと懸念点
ここでは、秋春制へのシーズン移行がもたらす影響について、メリットと懸念点をサポーター、クラブ、選手、それぞれの立場から解説していきます。
サポーターにとって
秋春制への移行は、観戦環境の改善につながります。
夏の猛暑での試合が減り、より快適に観戦できるようになるほか、ヨーロッパ主要リーグや国際大会と同じリズムでサッカーを楽しめるようになります。
これにより、「日本サッカーと世界サッカーの一体感」を味わえるのは大きな魅力です。
クラブにとって
クラブ経営においては、移籍市場との整合性が高まる点が注目されます。
従来はシーズン途中での主力流出が課題でしたが、秋春制なら欧州クラブと同じタイミングで補強や放出を調整できます。
また、ACLやFIFA大会とのスケジュールも合致するため、国際大会を見据えた強化計画が立てやすくなります。
選手にとって
選手にとってのメリットは、まず夏の猛暑を避けられることです。
酷暑下での連戦による疲労や熱中症リスクが軽減され、パフォーマンス向上が期待されます。
また、冬季のウィンターブレークで十分な休養・トレーニング期間を確保できる点も大きな利点です。
降雪地域での試合開催
北海道や東北、北陸などのクラブは、冬場にスタジアムの積雪・凍結対策が必須となります。
除雪作業や観客のアクセス確保に大きな負担がかかり、試合運営コスト増が避けられません。
ウィンターブレークによる動員リスク
長期中断の間に観客の関心が薄れる可能性があります。
特に地方クラブにとっては、動員維持とスポンサー価値確保が課題となるでしょう。
シーズンチケット・収益モデルの見直し
秋春制への移行により、シーズンチケットやスポンサー契約の時期が変わります。
従来の「春スタート」に合わせたビジネスサイクルを持つ企業や自治体にとって、契約時期の変更による調整負担が生じる可能性があります。
選手のコンディション調整
冬季に試合がなくても、2月の再開直後に公式戦が始まるため、オフ期間の過ごし方がより重要になります。
長期ブレークでの体調維持・モチベーション管理が難しくなる懸念があります。
まとめ
Jリーグは2026/2027シーズンから【秋春制】に移行します。
移行期の2026年前半には、J1・J2・J3を対象にした「特別大会」が開催され、PK戦方式や特別助成金といったユニークな仕組みが導入されます。
サポーターにとっては観戦環境の改善に繋がり、クラブにとっては国際大会、欧米クラブとの移籍日程との整合性が図られます。
一部、雪国クラブの降雪対策についての不安点も残されていますが、このシーズン移行は、日本サッカー全体の発展につながる大きな転換点となることでしょう。
Jリーグのシーズン移行によって、親子でサッカー楽しむみなさんの「サッカーライフ」が、さらに豊かになることを願っています。
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